今回は市営住宅の受水槽の清掃点検です。
この受水槽は2槽式といって、受水槽の内部が2つに分かれています。
この為、片方の槽ごと清掃点検する事ができ、断水はしないで作業を終える事ができました。
※2槽式でも断水しなければならない場合もあります。
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清掃は無事終了したのですが、水槽内部の天井部分には何かひげのようなものが…。
天井のパネルとパネルのつなぎめの部分です。
これが一体なにかわかりますか?
実はこれ天井パネルの上に生えた草の根なんです。
天井パネルの上は水が溜まらないような構造になっていますが、パネルとパネルのつなぎめの部分が溝になっていて少しへこんでいます。
長い間にこの溝にほこりや土が溜まり、そこに草が生えてくる事があります。
この草が根を張り、パネルの間に挟んであるパッキンを突き破り、水槽の中まで根をのばしてきます。
「自然の力はすごいですねー。」
なんて感心してる場合じゃありません!
草の根が入るという事は当然、雨水なんかも貯水槽の中に入ってきます。
雨水と共にゴミや細菌も飲料水中に入り込む結果となってしまい、水質を汚染する事につながってしまいます。
今回は草の根が出てきて分かりやすかったのですが、実は草がなくても天井部分から雨水は水槽内に入ってしまっています。
天井のパネルとパネルの間に入っているパッキンは、想像以上に劣化が早いのです。
貯水槽の耐用年数は15年ですが、経験上ほとんどの貯水槽が15年せずに天井部から雨水が槽内に入るようになってしまいます。
天井部のパッキンの劣化は水漏れなどに関係ないので、ほとんどの人が気が付いていませんが…。
天井部のパネルはパネル自体が薄いので、劣化が進む前の補強がおすすめです。
天井部の補強ライニングで①雨水の槽内への侵入の防止②貯水槽全体の補強③紫外線などによる劣化の防止。
と一度で3つおいしい内容となっているのでぜひどうぞ(笑)。